資本主義と欲求不満
先日,某携帯電話メーカーの方とお話しさせていただく機会がありました。毎シーズン,様々な新機能を搭載した新しい機種が発売されていますが,私は常々,携帯電話は通話とメールができればそれで充分だと思っているので,そんなことをちょっとお話しさせていただきました。すると,その方は「携帯電話は,新しい機種を出した直後がいちばん売れて,だんだんと売れ行きが鈍っていくんです。だから期ごとに新機種を投入しないと,前期よりも売り上げが落ちてしまうんです」と教えてくれました。
この話を聞いて「資本主義とは,人間の所有欲を刺激することで成立している経済システムなんだな」と痛感しました。消費者は望ましいと思われるモデルを提示され,それを所有したい(体験したい)という欲求を掻き立てられる。こうして消費者に所有(体験)願望を抱かせなければ,モノ(サービス)は売れない。すなわち企業は儲からないのです。
裏を返せば「資本主義という経済システムに依存している限り,人間は所有欲を刺激され続ける」ということ。自社製品を売るために,ありとあらゆる策を講じてくる企業の巧妙な手口をかわして,欲求不満状態から無縁であり続けるのは,至難の業だと言えるでしょう。しかも,何かを所有(体験)しても,すぐまた次のターゲットが出現する--その永遠の繰り返しです。「フリーク(「マニア」「おたく」)」と呼ばれる人たちは,このサイクルにまんまとハメられた人たちを指すのかもしれません(決して他人事ではありません…)。そして「資本主義経済が肥大化するにつれて,我々の欲望も肥大化する」のかもしれません。
それでは,どうすればいいか?その答えは,私にも残念ながらわかりません。どなたかいい方策があれば,ご教授くださいませ。


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