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2006.12.12

ミュージカル『マリー・アントワネット』

【キャスト】
マリー・アントワネット:涼風真世
マルグリット・アルノー:笹本玲奈
アニエス・デュシャン:土居裕子
アクセル・フェルセン:井上芳雄
ルイ16世:石川禅
ボーマルシェ:山路和弘
オルレアン公:髙嶋政宏
カリオストロ:山口祐一郎
ロベスピエール:福井貴一
ローズ・ベルタン:春風ひとみ
ラパン夫人:北村岳子
ランバル公爵夫人:河合篤子
ベメール/エベール:広田勇二
ラ・フェルテ:tekkan
ギヨタン博士:佐山陽規
ロアン大司教/レオナール:林アキラ

【アンサンブル】
安部誠司, 家塚敦子,池田紳一,石田佳名子,小原和彦,碓氷マキ,KENTARO,樺島麻美,小西のりゆき,史桜,齊藤裕加,鈴木結加里,島田邦人,高島みほ,杉山有大,鳥居ひとみ,砂川直人,中川菜緒子,武内耕,中村友里子,俵和也,Belle,照井裕隆,水谷祐紀,中山昇,やまぐちあきこ,松澤重雄,横沢健司

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:シルヴェスター・リーヴァイ
演出:栗山民也
翻訳:浦山剛,迫光 
翻訳・訳詞:竜真知子
     
音楽監督:甲斐正人
歌唱指導:矢部玲司,林アキラ
振付:前田清実
装置:島次郎
照明:勝柴次朗
衣裳:有村淳
ヘアー:坂井一夫
音響:大坪正仁
アクション:渥美博
舞台監督:廣田進
演出助手:鈴木ひがし
     
指揮:塩田明弘
オーケストラ:(株)ダットミュージック,東宝ミュージック
     
プロダクション・コーディネーター:小熊節子
プロデューサー:岡本義次,小林香,横田優希

帝国劇場にて。

 「エリザベート」「Mozart!」に続くクンツェ&リーヴァイのコンビの第3弾。この作品は東宝の製作で,今回の東京公演が世界初演となる。「ベルばら」でもおなじみのマリー・アントワネットがヒロインなので,人気が高いかと思いきや,チケットの売れ行きは「エリザベート」ほどではないようだ。

 この作品は宝塚の「ベルばら」のようなロマンティックなラブストーリーではない。むしろ(時代背景的にも)「レ・ミゼラブル」に近いものを感じた。原作は遠藤周作の小説「王妃マリー・アントワネット」。M.A.というイニシャルを持つ王妃マリー・アントワネットと平民の娘マルグリット・アルノーを対比させながら進行していく。錬金術師のカリオストロがこの2人の運命を操るという形を取っているが,これがそれほど効果的には思えなかった。カリオストロは狂言回し的な役割も担うのだが,ボーマルシェも同じような役割を果たしていて,どうもすっきりしない。これは台本上の問題なのか,演出的な問題なのかわからないが…。

 クンツェの台本は前2作と同様,主人公を美化しない。第1幕は思慮が浅くて,贅沢好きでわがままな王妃アントワネットを描き,第2幕では断頭台の露と消えるまでの転落ぶりを描いてゆく。涼風真世はアントワネットの波乱に富んだ生涯を予想以上にうまく演じていた。(姉弟にしか見えないんじゃないかと危惧していた)井上芳雄のフェルセンとのやりとりにも違和感はなかった。特に歌(二重唱)はよかったが,もう少し愛情の表現に工夫があってもよかったかもしれない。そのほかに印象的だったのはマルグリット・アルノー役の笹本玲奈。彼女のパワーのある歌声が舞台を牽引した。石川禅のルイ16世も,人の良さが全面に出て,私のイメージにぴったりだった。

 演出的に1つ気になったのは,収監されたアントワネットが息子のために歌うのを聴いて,マルグリット・アルノーが驚く場面。ここで「アントワネットとアルノーの父親は同じ人物」だということを暗示したのだと思うが,今ひとつ伝わりにくかったのではないか?

 贅沢三昧をして好き勝手に振舞っていても,愛するフェルセンと一緒になれないどころか,そばにいることすら許されなかったアントワネットの心は決して満たされることはなかった。彼女はハプスブルク家に生まれたばかりに,自身の結婚を政治の道具として利用されてしまったのだから,ある意味,とても不幸な女性とも言える。でも自分のことを命を賭けて愛してくれる男性に出会えたのだから,たとえ結ばれなくても幸せだと言うこともできるかもしれない。ある人間の幸/不幸を判断することは難しい。結局,自分で自分をどう思うかがすべてなんだろうな。他人が不幸だと思っていても,自分が本当に幸せだと実感できればそれでいいわけだし,逆に傍から見れば幸せそのものでも,ちっとも満たされていない人もたくさんいるわけだし…。

 久しぶりにフランス革命のおさらいをさせてもらったが,この作品はフランス革命を題材にして現代を描いているとも感じた。別の言い方をすれば「歴史は繰り返す」ということ。一例を挙げると,興奮状態に陥った群集の恐ろしさ。私には彼女の断頭台送りがキリストの磔刑と二重写しとなって見えてきた(群集の恐ろしさについては「野田版・砥辰の討たれ」でも描かれていたけれど)。人間の文化文明がいかに進歩しても,私達は結局,同じようなことを繰り返している。歴史を教訓とすることなしに。

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Comments

こんばんは、
久しぶりにTBさせてくださーい^^

勝手に引用してしまったのですが、
NGだったら即消しますので叱ってくださいね☆

Posted by: mayu | 2006.12.27 at 00:25

mayuさん,コメント&TB,ありがとうございます!
mayuさんも観にいらしたのですね。初めての帝国劇場はどうでしたか?玲奈ちゃん,迫力があって良かったですね。新妻聖子ちゃんヴァージョンはどうなんでしょうか?興味をそそられます。
私もTBさせていただきますね☆

Posted by: ばけらった | 2006.12.27 at 01:37

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ミュージカル、「マリー・アントワネット」を 初めての帝国劇場にて。 [Read More]

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