« November 2006 | Main | January 2007 »

2006.12.23

WE WILL ROCK YOU

ガリレオ:ピーター・マーフィー
スカラムーシュ:ピパ・グランディソン
キラー・クイーン:メリッサ・ラングトン
カショーギ:ロス・ギルヴェン
ポップ:ロバート・グラブ
ブリット(ブリトニー・スピアーズ):ダニエル・フレッチャー
オズ(オジー・オズボーン):ケイト・マリー・フリハン

脚本:ベン・エルトン
ミュージック・スーパーバイザー:ブライアン・メイ,ロジャー・テイラー
ステージデザイン:マーク・フィッシャー
照明デザイン:ウィリー・ウィリアムス

新宿コマ劇場にて。

 昨年に続き,2年連続の来日公演となったWE WILL ROCK YOU。昨年は気になりつつも,結局行けず仕舞いに終わってしまったが,今年は東京の楽日前日になんとか観ることができた。これは2002年5月14日にロンドン・ウエストエンドのドミニオン・シアターで開幕した作品で,ロバート・デ・ニーロが総制作費15億円のうち,9億円を出したそうである。そんなに金がかかっているのか,このミュージカル…。

 80年代のヒット曲を使用したミュージカルでは,今までに「マンマ・ミーア」と「ムーヴィン・アウト」を観たけれど,この作品が一番コンサートのノリに近い。開幕前から客席には色とりどりのサイリウム(スティックライト)を手にした人達がたくさんいて,これから始まるステージへの期待感を盛り上げる。客電が落ちると,サイリウムの輝きはいっそう幻想的に写り,観客を非日常的空間へといざなう。

 物語は2300年代だったか,正確なことは忘れてしまったけれど,とにかく未来の世界のお話。(マイクロソフト社ならぬ)グローバルソフト社が支配する世界では人間はクローン化され,ファッションも流行も全てコントロール下にある。楽器というものは存在せず,音楽はプログラム化されているものしか楽しむことはできない。そんな体制に反逆する若者が現れて…というもの。想定上は未来のことだが,現在,すでにそんなレールの上に我々は置かれているのではないか?という懸念が脳裏を横切る。
 
 …なんて,ちょっとシリアスなことを書いたが,はっきり言ってストーリー的にはツッコミどころも多い。しかし,それは前述の「マンマ・ミーア」や「ムーヴィン・アウト」も同じこと。それを補って余りある音楽の魅力でステージを牽引するのが,この種のミュージカルの強みである。通常のミュージカルの場合,1つの作品中に名曲が3~4曲あれば上等な方で,あとは記憶に残らないような曲が占めている。ところがこの種のミュージカルでは,ミリオンセラーとなったような楽曲が次から次へと繰り出されていくのである。それだけでも,ものすごいアドバンテージだ。しかも多くの観客は,もともとこれらの曲が好きで会場に足を運んでいるのだ。クイーンにそんなに思い入れがあるわけではない私でさえ,その楽曲のパワーに充分酔いしれたのだから,これらの曲に色々な思い出がある人にとっては,ライヴで体感できただけで,もう涙が出そうなくらい感慨深いに違いない。

 ポール・ロジャースが加わった“新生クイーン”は2005年のワールドツアーで大成功を収めたそうだが,フレディ・マーキュリー亡き今(今年が没後15年とのこと)となっては,もうオリジナルの形で楽しむことはできない。このように当事者の手を離れ,第2世代に受け渡されて,作品は初めて“古典化”されるのだな…と,考えてみれば至極当然のことをステージを見つめながら実感していた。今はまだオリジナルを体験している人がたくさんいるけれど,やがて誰もいなくなってしまう日が確実にやってくる。そういう日を迎えても,これらの曲は忘れ去られることなく歌い継がれ,多種多様なアレンジや解釈が試みられるに違いない。オリジナルとは似ても似つかぬものも現れるだろうし,当事者には思いも寄らなかったようなポテンシャルを引き出す者が現れるかもしれない。アーティストの個性や時代の嗜好に寄り添って変容しながら,作品は生き長らえていく。この種のミュージカルは,80年代ポップス(ロック)を“古典化”するための極めて有効な手段のひとつなのだと合点した。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.12.16

勅使川原三郎 『ガラスノ牙』(Glass Tooth) 世界初演

出演:勅使川原三郎,宮田佳,佐東利穂子,吉田梓,
    ヴァスラフ・クーニェス,ナターシャ・ノヴォトナ,ウルツィ・アランブル(NDT I)

振付/美術/照明:勅使川原三郎
衣裳:勅使川原三郎/宮田佳
音楽構成:勅使川原三郎/宮田佳
音響:ニール・グリフィス
照明技術:セルジオ・ペッサーニャ
振付助手:佐東利穂子
舞台監督:柴崎大

新国立劇場 中劇場にて。

ガラスの破片がつくる無数の光の反射は時間の破片
ぶつかりあい、躊躇し、矛盾が増幅する身体
始めは身体しかなく、次に自分と身体が重なり
そして身体が自分から離れる 得体の知れないモノが存在する
取り留めのないものに向かって手放しになって放り出されて
存在を危うくしてしまうモノ、放り出されて無抵抗のままにするモノ
切羽詰まった精神が身体を追い込む時、知らぬモノ同士が出会う
見知らぬ土地に現れる生命
時間を粉砕したガラスと意味を超えた溶け続ける身体

                         勅使川原三郎

愛情と憎悪の感情は同時に隣接している
その相反する力が同時存在するのは原理であると思われる
物が動く,身体が動く,心が動くのにも
相反する力による統合されえないものに眼を向ける時
私は存在していたのに見えていなかった物が見えてくる
感じられなかったモノを感じ始める
考えが及ばなかった事を考えたくなる
そこから再び統合されえないコトを見つける

                        勅使川原三郎
                        (公演プログラムより)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.12.15

新国立劇場 『シンデレラ』

シンデレラ:アリーナ・コジョカル
王子:フェデリコ・ボネッリ
義理の姉たち:マシモ・アクリ,篠原聖一
仙女:湯川麻美子
父親:石井四郎
春の精:西山裕子
夏の精:西川貴子
秋の精:高橋有里
冬の精:寺島ひろみ
道化:グリゴリー・バリノフ
ナポレオン:八幡顕光
ウェリントン:市川透
王子の友人:陳 秀介,富川祐樹,江本拓,中村誠

指揮:エマニュエル・プラッソン
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

振付:フレデリック・アシュトン
作曲:セルゲイ・プロコフィエフ

監修・演出:ウェンディ・エリス・サムス
舞台美術・衣裳:デヴィッド・ウォーカー
照明:沢田祐二
舞台監督:森岡 肇
装置・衣裳製作:英国ロイヤルバレエ(1987年12月16日コヴェントガーデンにて初演)

新国立劇場にて。

 久々にアシュトン版の『シンデレラ』を観たが,改めてよくできた作品だなと感心させられた。ディズニー映画のようにファンタジックで華やか。メルヘンの世界にどっぷりと浸かることができる。この作品はアシュトンによる初の全幕物(同時に,現代イギリスの振付家による初の全幕バレエでもある)だそうだが,決して単純とは言えないプロコフィエフの音楽にぴったりと振り付けられているから凄い。それにシンデレラの2人の姉を男性のダンサーがコミカルに演じるという,いかにも英国的なアイディアもユニークだ。アシュトン自身がこの役をかなり長い間演じていたそうだが,一度観てみたかった。

 宮殿での舞踏会の場面で,いきなりオレンジが出てくるシーンもアシュトンのウィットを感じさせる箇所。ここはプロコフィエフが自作のオペラ『3つのオレンジへの恋』の一節を使っているので,アシュトンもわざわざオレンジを持ち出したというわけ。こういう遊び心に思わずニヤリとさせられてしまう。

 今回は主役2人が英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルだったせいか,ロイヤルバレエ団色が濃厚。コジョカルは8月の世界バレエ・フェスティバルでも可憐な踊りを見せてくれたが,シンデレラも非常に可愛いらしくて,はまり役だと思う。ボネッリはやや身体が重たい感じがしたけれど,落ち着いた王子様だった。そのほか,マシモ・アクリの弾けっぷりは会場を大いに盛り上げたし,バリノフの道化役は天下一品。こういう脇達の活躍があってこそ,楽しい舞台になったのだと思う。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.12.12

ミュージカル『マリー・アントワネット』

【キャスト】
マリー・アントワネット:涼風真世
マルグリット・アルノー:笹本玲奈
アニエス・デュシャン:土居裕子
アクセル・フェルセン:井上芳雄
ルイ16世:石川禅
ボーマルシェ:山路和弘
オルレアン公:髙嶋政宏
カリオストロ:山口祐一郎
ロベスピエール:福井貴一
ローズ・ベルタン:春風ひとみ
ラパン夫人:北村岳子
ランバル公爵夫人:河合篤子
ベメール/エベール:広田勇二
ラ・フェルテ:tekkan
ギヨタン博士:佐山陽規
ロアン大司教/レオナール:林アキラ

【アンサンブル】
安部誠司, 家塚敦子,池田紳一,石田佳名子,小原和彦,碓氷マキ,KENTARO,樺島麻美,小西のりゆき,史桜,齊藤裕加,鈴木結加里,島田邦人,高島みほ,杉山有大,鳥居ひとみ,砂川直人,中川菜緒子,武内耕,中村友里子,俵和也,Belle,照井裕隆,水谷祐紀,中山昇,やまぐちあきこ,松澤重雄,横沢健司

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:シルヴェスター・リーヴァイ
演出:栗山民也
翻訳:浦山剛,迫光 
翻訳・訳詞:竜真知子
     
音楽監督:甲斐正人
歌唱指導:矢部玲司,林アキラ
振付:前田清実
装置:島次郎
照明:勝柴次朗
衣裳:有村淳
ヘアー:坂井一夫
音響:大坪正仁
アクション:渥美博
舞台監督:廣田進
演出助手:鈴木ひがし
     
指揮:塩田明弘
オーケストラ:(株)ダットミュージック,東宝ミュージック
     
プロダクション・コーディネーター:小熊節子
プロデューサー:岡本義次,小林香,横田優希

帝国劇場にて。

 「エリザベート」「Mozart!」に続くクンツェ&リーヴァイのコンビの第3弾。この作品は東宝の製作で,今回の東京公演が世界初演となる。「ベルばら」でもおなじみのマリー・アントワネットがヒロインなので,人気が高いかと思いきや,チケットの売れ行きは「エリザベート」ほどではないようだ。

 この作品は宝塚の「ベルばら」のようなロマンティックなラブストーリーではない。むしろ(時代背景的にも)「レ・ミゼラブル」に近いものを感じた。原作は遠藤周作の小説「王妃マリー・アントワネット」。M.A.というイニシャルを持つ王妃マリー・アントワネットと平民の娘マルグリット・アルノーを対比させながら進行していく。錬金術師のカリオストロがこの2人の運命を操るという形を取っているが,これがそれほど効果的には思えなかった。カリオストロは狂言回し的な役割も担うのだが,ボーマルシェも同じような役割を果たしていて,どうもすっきりしない。これは台本上の問題なのか,演出的な問題なのかわからないが…。

 クンツェの台本は前2作と同様,主人公を美化しない。第1幕は思慮が浅くて,贅沢好きでわがままな王妃アントワネットを描き,第2幕では断頭台の露と消えるまでの転落ぶりを描いてゆく。涼風真世はアントワネットの波乱に富んだ生涯を予想以上にうまく演じていた。(姉弟にしか見えないんじゃないかと危惧していた)井上芳雄のフェルセンとのやりとりにも違和感はなかった。特に歌(二重唱)はよかったが,もう少し愛情の表現に工夫があってもよかったかもしれない。そのほかに印象的だったのはマルグリット・アルノー役の笹本玲奈。彼女のパワーのある歌声が舞台を牽引した。石川禅のルイ16世も,人の良さが全面に出て,私のイメージにぴったりだった。

 演出的に1つ気になったのは,収監されたアントワネットが息子のために歌うのを聴いて,マルグリット・アルノーが驚く場面。ここで「アントワネットとアルノーの父親は同じ人物」だということを暗示したのだと思うが,今ひとつ伝わりにくかったのではないか?

 贅沢三昧をして好き勝手に振舞っていても,愛するフェルセンと一緒になれないどころか,そばにいることすら許されなかったアントワネットの心は決して満たされることはなかった。彼女はハプスブルク家に生まれたばかりに,自身の結婚を政治の道具として利用されてしまったのだから,ある意味,とても不幸な女性とも言える。でも自分のことを命を賭けて愛してくれる男性に出会えたのだから,たとえ結ばれなくても幸せだと言うこともできるかもしれない。ある人間の幸/不幸を判断することは難しい。結局,自分で自分をどう思うかがすべてなんだろうな。他人が不幸だと思っていても,自分が本当に幸せだと実感できればそれでいいわけだし,逆に傍から見れば幸せそのものでも,ちっとも満たされていない人もたくさんいるわけだし…。

 久しぶりにフランス革命のおさらいをさせてもらったが,この作品はフランス革命を題材にして現代を描いているとも感じた。別の言い方をすれば「歴史は繰り返す」ということ。一例を挙げると,興奮状態に陥った群集の恐ろしさ。私には彼女の断頭台送りがキリストの磔刑と二重写しとなって見えてきた(群集の恐ろしさについては「野田版・砥辰の討たれ」でも描かれていたけれど)。人間の文化文明がいかに進歩しても,私達は結局,同じようなことを繰り返している。歴史を教訓とすることなしに。

| | Comments (2) | TrackBack (1)

2006.12.10

マリインスキー・バレエ 『白鳥の湖』

オデット/オディール:ウリヤーナ・ロパートキナ
ジークフリート王子 :イーゴリ・ゼレーンスキー
王妃 (王子の母):エレーナ・バジェーノワ
王子の家庭教師:ピョートル・スタシューナス
道化:アンドレイ・イワーノフ
悪魔ロットバルト:マキシム・チャシチェゴーロフ
王子の友人たち:ダリア・スホルーコワ,オレシア・ノーヴィコワ,ウラジーミル・シクリャローフ

小さな白鳥:ヤナ・セリーナ,イリーナ・ゴールプ,エレーナ・ワシュコーヴィチ,オレシア・ノーヴィコワ
大きな白鳥:エカテリーナ・オスモールキナ,アリーナ・ソーモワ,クセーニャ・オストレイコーフスカヤ,エカテリーナ・コンダウーロワ
2羽の白鳥 :エカテリーナ・オスモールキナ,クセーニャ・オストレイコーフスカヤ
スペインの踊り:ガリーナ・ラフマーノワ,ジ・ヤン・リュウ,イスロム・バイムラードフ,アレクサンドル・セルゲーエフ
ナポリの踊り:ヤナ・セーリナ,マクシム・フレプトーフ
ハンガリーの踊り:ポリーナ・ラッサーディナ,カレン・イワンニシャン
マズルカ:スヴェトラーナ・フレプトーワ,イリーナ・プロコフィエヴァ,オリガ・バリンスカヤ,ガリーナ・ラフマーノワ,アレクサンドル・クリーモフ,アンドレイ・ヤーコヴレフ,フョードル・ロプホーフ,ニコライ・ナウーモフ

東京文化会館 大ホールにて。

 とにかくロパートキナが圧巻だった!彼女は単に技術やオーラが凄いのではない。“振り”の背後に秘められた崇高な美を見つけ出す嗅覚に優れ,それを細密に表現することにおいて,これほどまで妥協を許さないストイックで“貪欲”なダンサーを私は他に知らない。ただ1人,シルヴィ・ギエムを除いては(この2人,踊りのスタイルは正反対と言ってもいいくらい違っているけれど)。“振り”に対する感覚が他のダンサーとは比べ物にならないくらい鋭敏であることが一目瞭然なのだ。

 彼女が登場して5秒後にはもう私の全身は震えていた。彼女の動きは決して大げさではなく,むしろ抑制気味で繊細そのもの。1拍を8分割もしくは16分割(もしかしたら32分割)して構成しているのかと思わせるようなキメの細かさで,つま先から指先,上半身のそらし方や首の動かし方,そして視線や表情に至るまで一分の隙もなく優美に踊ってゆく。「人間の動作をここまで造形的に隙なく研ぎ澄ませることが可能なのか」という驚きを禁じえなかった。しかもどこまでも控え目かつエレガントでありながら,オデットの感情がしっかりと伝わってくる。好みの次元を越えて,頭を垂れるしかないようなパーフェクトぶり。もう「奇跡的」としか言いようがない。私がこのように自分の“ダンス”に対する概念を揺さぶられるようなショッキングな感動を覚えたのは,ギエムで初めてコンテンポラリー作品を観たとき以来。しかも今まで何度も観ている『白鳥の湖』でこういう感動を経験するとは思いもよらなかった(しかし冷静に考えると,この名作中の名作だったからこそこういう体験が可能だったのかもしれない)。彼女が白鳥だとすると,コール・ド(ソリストを含めて)はみんな醜いアヒルの子にしか見えないくらい,ロパートキナはただ1人完全に違う世界に存在していた。

 それでも(ロパートキナの個性から考えて)彼女のオデットが素晴らしいだろうというのはある程度予測できたのだが,オディールがこれまた素晴らしかったのだ!たいていの場合,オデットとオディールのどちらかが勝ってしまうのだが,彼女は,夢幻的な存在のオデットと積極的な誘惑者であるオディール--それぞれのキャラクターを予め綿密に計算し尽していて,明確に踊り分けている。はかなくて重力を感じさせないようなオデットの非現世的な清らかな踊りから一転して,オディールではグッと生気を帯びて,シャープに,そして強さと気位の高さを滲ませる(それでいて優美さを損なわない匙加減が絶妙!)。そのコントラストが実に見事で,どちらも甲乙つけがたいほど魅力的なのだ。

 私は『白鳥の湖』をそんなに多くは観ていない(…とは言え,今年はこれが4回目。しかも世界バレエフェスティバルのガラ公演でギエムのオデットも観ている)が,ロパートキナのオデット/オディールは,今まで観た中で群を抜いてベストである。そして今後も彼女を越えるオデット/オディールには,そうそう出会えないと思う。舞踊監督のワジーエフは「ロパートキナの『白鳥の湖』を見ていると,まるでプティパとイワーノフが彼女のためにこのバレエを作ったのではないかと思ってしまうほどです」とインタビューで述べているが,本当にその通りである。先月観たザハロワのオデット/オディールも素晴らしかったけれど,ロパートキナは明らかに次元が違っていた。

 オーケストラは完全にお疲れモード(オーボエはのっけから絶不調)だったし,背中を痛めていたゼレーンスキーにはオーラが感じられなかった(男性陣では道化役のアンドレイ・イワーノフとロットバルト役のマキシム・チャシチェゴーロフが良かった)し,コール・ドもいろいろ難はあったけれど,ロパートキナのオデット/オディールを体験できただけで,全てのマイナス要素を帳消しにして余りあるような舞台だった。一生の宝になるような貴重な経験をさせてもらい,ロパートキナには心から感謝したい。彼女は(4歳になるお嬢さんがいるせいか),他のカンパニーにはほとんどゲスト出演しないそうだが,ぜひ近々に再来日して,観客の魂を震わせるような名演を再び観せてもらいたい。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

2006.12.09

Noism 06 TRIPLE VISION

black ice(ver.06)
振付:金森穣
出演:佐藤菜美,高原伸子,中野綾子,平野慎太郎,山田勇気

solo, solo
振付:大植真太郎
出演:青木尚哉,石川勇太,井関佐和子,金森穣,佐藤菜美,高原伸子,中野綾子,平野慎太郎,宮河愛一郎,山田勇気

Siboney
振付:稲尾芳文,クリスティン・ヒョット・稲尾
出演:青木尚哉,井関佐和子,金森穣,佐藤菜美,高原伸子,中野綾子,平野慎太郎,宮河愛一郎,山田勇気

ル テアトル銀座にて。

 私にとっては 1年ぶりのNoism。今回は同年齢の3組の日本人振付家の作品の饗宴となった。その中でやはりblack iceが2年前の作品をブラッシュアップしての再演であること,そしてNoismのダンサーにも合っているということから,一番完成度が高かったように思う。solo, soloは発想的には非常に面白かったが,ちょっと冗漫な感じを受けた。後半部分を少し刈り込むと,もっと焦点が絞れてくるのではないか?Siboneyはこの3作品の中で(コンサヴァティヴな意味で)最もダンス的な作品。ラテン的な要素を含んだ音楽に合わせて,ダンサーはもっと弾けてもよかった気がする。

 いろいろな振付家の作品にチャレンジすることは,ダンサーにとって身体的な語彙を増やすためにも非常に有意義だと思う。私個人としては金森穣の振付作品を観たいという思いも強いけれど,Noismのダンサーにとっては,さらに多くの振付家の作品(少し古典的なものを含めて)を踊ることが大切なのではないかと感じた(余計なおせっかいだけど)。そして金森さんには,全然毛色の違う作品に挑戦してもらいたい気もする。たとえば子供向きの作品だとか,今までダンスなどを観たことがない人でもスッと入っていけるような親近感の持ちやすい作品だとか…。そうすることで,さらに面白い“何か”が生まれてきそうな気がするから…。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.12.08

NHK交響楽団 第1584回定期演奏会

マーラー:交響曲 第10番 から「アダージョ」
ベルク:ヴァイオリン協奏曲 (独奏:樫本大進)
バルトーク:管弦楽のための協奏曲

指揮:ローター・ツァグロゼク
管弦楽:NHK交響楽団

NHKホールにて。

 マーラー,ベルク,バルトークという19世紀末から20世紀前半の音楽界を牽引した作曲家の最晩年の作品で構成されたユニークなプログラミング。

 指揮者のローター・ツァグロゼクは,今年2月のシュツットガルト歌劇場来日公演の『魔笛』を振った人(あの時はペーター・コンヴィチュニーの演出ばかりが話題となり,あまり注目されなかったのでは?)。今シーズンからはベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団(旧・ベルリン交響楽団)の首席指揮者を務めているそうだ。前半は対向配置で,後半は通常の配置だった(←何故?)。編成は16型(協奏曲のみ14型)。

 冒頭のマーラーから(いつものように)今ひとつ血の巡りが良くないような感じだったのに,バルトークの3楽章の途中から急に生彩を帯び出したのにびっくりした。いったい何が起きたのだろうか?5楽章半ばで再度血行不良に陥ったが,これは弦(特にヴァイオリン)のリズムに切れがなく,生温かったせいだと思う。とにかく,演奏の途中からでも生気に溢れた響きがしたのは指揮者のせいかしら?いつもこういう響きがしていたら,私,N響の定期会員になるんだけど。

 ベルクの協奏曲のソリストの樫本大進くん(1979年生まれ)は,93年メニューイン国際コンクール,96年フリッツ・クライスラー国際コンクール,96年ロン・ティボー国際音楽コンクール(史上最年少)で優勝した実力の持ち主。テクニックはあるし,力強さと伸びやかさを兼ね備えた演奏を聴かせてくれるが,ベルクの最後の完成作品となったこの協奏曲は内容的にちょっと難しかったかもしれない。この曲はベルクの作品のなかで,最も有名で最も演奏回数に恵まれた作品なのだそうだが,私はこの協奏曲で心底感動したことが未だにないのだ(まあ,それほど積極的に聴いているわけじゃないけれど)。様々な楽想がコラージュのようにつなぎ合わされていたり,無調性の作品なのに調性的な感じがしたり…ということがあって,全体の構成の仕方が難しい作品のような気がする。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.12.07

東京バレエ団 『くるみ割り人形』

ビム:氷室友
母:高木綾
猫のフェリックス:松下裕次
M...: 中島周
妹のクロード:佐伯知香
光の天使:高岸直樹,平野玲
妖精:奈良春夏,田中結子
マジック・キューピー:飯田宗孝

スペイン 闘牛士:高橋竜太,古川和則,鈴木淳矢
中国 バトン:高村順子
アラブ:中島周,西村真由美
ソ連:小出領子,大嶋正樹
パリ:井脇幸江,木村和夫 
グラン・パ・ド・ドゥ:吉岡美佳,後藤晴雄

ゆうぽうとにて。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.12.06

マリインスキー・バレエ 『海賊』2日目

コンラッド (海賊の首領):エフゲニー・イワンチェンコ
メドーラ (ギリシアの娘):ディアナ・ヴィシニョーワ
ギュリナーラ (ギリシアの娘) :エカテリーナ・オスモールキナ
ランケデム (奴隷商人):アンドリアン・ファジェーエフ
ビルバント (海賊):イスロム・バイムラードフ
アリ (海賊):レオニード・サラファーノフ
セイード・パシャ (トルコ総督):ウラジーミル・ポノマリョーフ
フォルバン:ポリーナ・ラッサーディナ,エレーナ・バジェーノワ,リーラ・フスラーモワ,ドミートリー・プィハチョーフ,アンドレイ・ヤーコヴレフ
オダリスク:スヴェトラーナ・イワーノワ,ダリア・スホルーコワ,オレシア・ノーヴィコワ
アルジェリアの踊り :エレーナ・バジェーノワ
パレスチナの踊り: ガリーナ・ラフマーノワ

音楽:アドルフ・アダン,チェーザレ・プーニ,レオ・ドリーブ,リッカルド・ドリゴ,パーヴェル・オリデンブルクスキー
振付:ピョートル・グーセフ
原台本:アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュ,ジョゼフ・マジリエ
台本改訂:ユーリー・スロニムスキー,ピョートル・グーセフ
装置:テイムラス・ムルヴァニーゼ
デザイン補佐:ミハイル・シシリヤンニコフ
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨーワ
指揮:アレクサンドル・ポリャニチコ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団

東京文化会館 大ホールにて。

 昨日に続いて『海賊』@マリインスキー・バレエ。主役級のキャストが昨日と違うのだが,2日連続で観ると,さすがに違いがわかりやすい。特にこのバレエ団の2枚看板であるロパートキナとヴィシニョーワは対照的なので,「同じ演目でもこんなに印象が変わるのか」と興味深かった。(続く)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.12.05

マリインスキー・バレエ 『海賊』初日

コンラッド (海賊の首領):エフゲニー・イワンチェンコ
メドーラ (ギリシアの娘):ウリヤーナ・ロパートキナ
ギュリナーラ (ギリシアの娘) :オレシア・ノーヴィコワ
ランケデム (奴隷商人):ミハイル・ロブーヒン
ビルバント (海賊):ドミートリー・プィハチョーフ
アリ (海賊):イーゴリ・ゼレーンスキー
セイード・パシャ (トルコ総督):ウラジーミル・ポノマリョーフ
フォルバン:エレーナ・バジェーノワ,ポリーナ・ラッサーディナ,リーラ・フスラーモワ,イスロム・バイムラードフ,アンドレイ・ヤーコヴレフ
オダリスク:イリーナ・ゴールプ,ダリア・スホルーコワ,エカテリーナ・オスモールキナ
アルジェリアの踊り:エレーナ・バジェーノワ
パレスチナの踊り:ガリーナ・ラフマーノワ

音楽:アドルフ・アダン,チェーザレ・プーニ,レオ・ドリーブ,リッカルド・ドリゴ,パーヴェル・オリデンブルクスキー
振付:ピョートル・グーセフ
原台本:アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュ,ジョゼフ・マジリエ
台本改訂:ユーリー・スロニムスキー,ピョートル・グーセフ
装置:テイムラス・ムルヴァニーゼ
デザイン補佐:ミハイル・シシリヤンニコフ
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨーワ
指揮:アレクサンドル・ポリャニチコ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団

東京文化会館 大ホールにて。

 ロパートキナは楽日の『白鳥の湖』のみを観る予定にしていたのが,11月30日のガラ公演『ロパートキナのすべて』が絶賛されていたので,急遽,当日券で『海賊』も観ることにした。これは本当に絶品!『ロパートキナのすべて』を観るべきだった…と後悔してしまうほどの素晴らしさだった。詳しくはまた後日書き足します。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.12.04

ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペラ 『後宮からの誘拐』

ベルモンテ:レシェック・シフィジンスキ
コンスタンツェ:タチアナ・ヘンペル
ペドリッロ:クシシュトフ・クル
ブロンデ:マルタ・ボベルスカ
オスミン:スラヴォミル・ユルチャック
太守セリム:ミハイル・カンクレルスキ

指揮:ルベン・シルヴァ
管弦楽:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場管弦楽団
合唱:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場合唱団

オーチャードホールにて。

 私にとっては,モーツァルト・イヤーを締めくくる1本(結局,今年はモーツァルトのオペラを9回(8作品)観た)。実はマリインスキー・バレエの『オールスター・ガラ』もかなり気になったのだけど,これを逃すと,いつ実演に接する機会が得られるかわからないので,結局こちらに行くことにした。詳しい感想はまた後日。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.12.02

スターダンサーズ・バレエ団 『トリプル・ビル』

 11月は“ピリオド・アプローチ強化月間”になってしまったが,12月は“バレエ(ダンス)強化月間”になる予定だ(苦笑)。さっそく今日はスターダンサーズ・バレエ団『トリプル・ビル』。この公演のチラシを観た瞬間に,私は「絶対に観に行く!」と決意した。3作品とも振付家が素晴らしいし,日本初演の『アプロクシメイト・ソナタ』はともかく,あとの2作品はどちらも有名なのに,私は観たことがなかったのだ。で,結果から言うと,20世紀におけるバレエの発展・進化について理解を深めることができて,非常に興味深かった。これはひとえにプログラミングのおかげである。感想は作品別に記そうと思うが,今週は超多忙なので,詳しくはまた後日。

アプロクシメイト・ソナタ(日本初演)
(初演:1996年1月20日,フランクフルト・バレエ団)
振付:ウィリアム・フォーサイス
音楽:トム・ヴィレムス 歌:パンプキン(トリッキー)
衣裳:スティーブン・ギャラウェイ
ステージ/照明:ウィリアム・フォーサイス
振付指導:ステファニー・アーンツ,アントニー・リッツィ
ピアノ:三原淳子
出演:小山恵美,新田知洋,丸山香織,橋口晋策,小平浩子,福原大介,福島昌美,大野大輔

リラの園
(初演:1936年1月26日,ロンドン マーキュリー・シアター)
振付:アントニー・チューダー
音楽:エルネスト・ショーソン『詩曲』(ヴァイオリン独奏:守屋剛志)
衣裳:ヒュー・スチプンソン
振付指導:サリー・ウィルソン
出演:
カロライン:小池知子
その愛人:福原大介
カロラインの婚約者:東秀昭
彼の過去の女:天木真那美
友達と親戚:新井千佳,佐藤万里絵,大岡直美,中里みゆき,橋口晋策,大野大輔,小濱孝夫,友杉洋之
(スターダンサーズ・バレエ団における初演:1967年10月20日)

スコッチ・シンフォニー
(初演:1952年11月11日,ニューヨーク ニューヨーク・ステート・シアター)
振付:ジョージ・バランシン
音楽:F・メンデルスゾーン 交響曲第3番『スコットランド』より
振付指導:ベン・ヒューズ
出演:
林ゆりえ,新村純一 
厚木彩
新田知洋,大野大輔
新井千佳,岩崎祥子,糸井千加子,三倉加奈,原山すみれ,荒原愛,黒田美菜子,高木奈津子
橋口晋策,友杉洋之,小濱孝夫,王益東,川島治,鴻巣明史

照明:足立恒 
舞台監督:森岡肇 
総監督:小山久美 
指揮:田中良和 
管弦楽:東京ニューシティ管弦楽団

ゆうぽうとにて。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.12.01

マリス・ヤンソンス指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 演奏会

モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番ハ長調 K.503 (独奏:内田光子 )
        【アンコール:モーツァルト ピアノ・ソナタ 第10番より第2楽章】
マーラー:交響曲第1番 ニ長調「巨人」

指揮:マリス・ヤンソンス
管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

東京文化会館 大ホールにて。

 フランスの月刊音楽誌「音楽の世界」が音楽専門家を対象に「ヨーロッパのベスト・オーケストラはどこか?」という調査を初めて行ったところ,栄えある第1位にはウィーン・フィルが,そして1点差の第2位にロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(以下,RCO)が入ったそうだ(詳細は下)。つまり,この秋はヨーロッパの2大オーケストラが来日したことになる。

 RCOは1888年に創設された伝統あるオーケストラで,2004年シーズンからマリス・ヤンソンスが第6代目の首席指揮者を務めている。今回の来日公演は11月25日の京都に始まって,全8公演が行われる予定だが,東京での3公演はすべて完売になっているようだ。

 最初はモーツァルトのピアノ協奏曲。オケは対向配置で,第1ヴァイオリンの後方にコントラバスが陣取っている。編成は1st vn. 10 / 2nd vn. 8 / Vla. 6 / Vc. 5 / Cb.4。序奏が始まった途端,モダン奏法の響きに軽い衝撃を覚えてしまった。11月は図らずも“ピリオド・アプローチ月間”となってしまい,ピリオド奏法の演奏会ばかり聴いていたから,モダン奏法がかえって新鮮に聴こえたわけである(苦笑)。そもそも私はモダン奏法でもピリオド奏法でも,どっちでもいいのだ。演奏のクオリティーさえ素晴らしければ。多様なスタイルが共存している状態こそが文化的に豊かな状態なのであって,選択肢が1つしかなかったら,どんなに味気ないことだろう。ヤンソンスは完全にモダン・スタイルだったが,RCOの明るめで重たくない響きを巧く生かして,ソリストをしっかりとサポートしていた。

 ソリストの内田光子は,1970年のショパン国際コンクールで第2位入賞したピアニスト(この時の第1位はギャリック・オールソン)。日本人の演奏家(歌手を含む)の中で最も国際的に実績を積み,評価されている人だと言っていいだろう(比肩するのは,ヴィオラの今井信子くらいだろうか?)。しかし,ロンドンを拠点にしているために日本での演奏会は少ないし,モーツァルトやベートーヴェン,シューベルトを中心に取り上げていて,日本人の好きなショパンやリストなどのロマン派の作品をあまり演奏しないせいか,日本ではクラシック(ピアノ)愛好家以外にはあまり知られていないようだ。彼女のモーツァルトには1音1音の意味を徹底的に吟味するような緻密さがあり,表情が万華鏡のように刻々と変化していくのだが,今日はそれほど移ろいやすさはなく,もっと堅固な芯を感じさせた。アンコールのピアノ・ソナタの方がすぐに散り去ってしまう桜の花のようなはかなさがあって,私の魂に深く響いてきた。

 彼女は現在,クリーヴランド管のレジデント・アーティストとして,モーツァルトの協奏曲全曲の弾き振りをしているそうだ。日本のオーケストラもこういう企画をやればいいのに(←内田光子に相手にしてもらえないのか?)。

 後半の「巨人」では配置を変更し,下手から1st vn.(18) / 2nd vn.(16)  /Vc(12) / Vla.(14),上手後方に Cb.(9)。配置を換えてもヤンソンスは混乱しないのだろうが,なぜモーツァルトでは対向配置にしたのだろうか(←流行だから?)?

 第1楽章は朝霧の森の中でカッコウが鳴いているようなすがすがしさがあって,いわゆる“マーラーらしさ”は希薄だ。しかし第2楽章になると,だいぶ濃度が上がり,ホルンはバリバリにベルアップしているし,中間部の優美なレントラー風の主題も思い入れたっぷりに演奏する。第3楽章もやはりロマンティックな中間部が美しく,大きな“揺れ”が印象的だった。そして終楽章。RCOの響きが重くないせいか,フォルテシモでもガツーンとしたパンチが感じられない。なんかフワーッと広がっていってしまうのだ。それなのにちっとも不足を覚えない。きっとこうしたテイストがRCOの個性だからだろう。指揮者の指示もさることながら,オーケストラ自身が確固たるカラーを持っているのだ。このオーケストラには前述した響きとともに,まろやかで落ち着いた風格がある。マーラーでは前半のモーツァルト以上にこのオーケストラが長年に渡って築いてきた個性,言い換えれば伝統の強さを感じ取ることができた。

 でも,個人的な好みで言うと,せっかくマーラーをやるなら2番以降が聴きたかった。シャイーがRCOの音楽監督だった時代に『マ・メール・ロワ』や『シェーラザード』などを聴いたが,ああいうプログラムの方がいいな。ましてや(別プロの)『新世界より』なんて,全く触手が動かない。

 
【ヨーロッパのオーケストラ・ベスト10】
第1位:ウィーン・フィル(86点)
第2位:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(85点)
第3位:ベルリン・フィル(79点)
第4位:ロンドン交響楽団(55点)
第5位:ドレスデン歌劇場管弦楽団(48点)
第6位:バイエルン放送管弦楽団(47点)
第7位:ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(37点)
第8位:サンクトペテルブルク・フィル(31点)
第9位:チェコ・フィル(12点)
第10位:フィルハーモニア管弦楽団(9点)
(ドイツのオケが4団体入っているのに対して,フランスやイタリアはゼロという結果に終わっている)

| | Comments (1) | TrackBack (0)

« November 2006 | Main | January 2007 »