HS06
ハンブルク・バレエ団ソリストの(来シーズンからカナダに移籍)服部有吉。ダンサーとしてのみならず,振付家としても活躍している。昨年だったか,TBS系の『情熱大陸』で彼のことが紹介されたが,その頃の私はコンテンポラリー・ダンスにそれほど興味がなかったので,彼の公演を観に行かなかったのだが,公演を観た友達は「素晴らしかった!」と絶賛していたので,一度は観ておきたいと思っていた。今年の『HS06』は首藤康之とのコラボレーションということで,バレエファンの間では注目を集めたようだ。
ところが残念なことに,この日,彼は体調不良のために第2部のみの出演だった(翌日は体調不良に加え,右足首靭帯損傷(捻挫)で第2部はなくなり,代わりにワークショップになったとのこと)
第1幕『Home Science』
演出・振付:服部有吉
出演:首藤康之,エレン・ブシェー,ヨハン・ステグリ,ゲイレン・ジョンストン,大石裕香
ロボット工場の実験室。そこではロボットたちの優劣が選別される。上から吊り降ろされたロボットたちは次々と試運転されるが、そのうちの一体が不規則に動き始める。部品不良か、ウイルス感染か。統制された空気を乱すように動くそのロボットによって生まれる波紋と不協和音。秩序を失ったロボットたちはそれぞれ奔放に動き回り、やがて壊れたロボットはスタッフの手により撤去されるが、ブザーが鳴り、また引き続き実験は行われる。
首藤康之をゲストとして迎えた、服部有吉の抽象的でコンテンポラリーな期待の新作。与えられた使命を遂行するためだけに生産され、評価を下されるロボットは人間社会のメタファーであり、ダンサーたちは感情を殺し、動きのみによってその無機質な世界を表現する。 (シアターコクーン ホームページより抜粋)
第2幕『ゴーシュ』
演出・振付・出演:服部有吉(ゴーシュ)
出演:エレン・ブシェー(猫),ヨハン・ステグリ(鳥),ゲイレン・ジョンストン(タヌキ),大石裕香(ネズミ)
ダンサーのゴーシュはいつも自分勝手に踊って、仲間に迷惑をかけてばかり。今日のリハーサルも上手くいかず、みんなは怒って帰ってしまう。落ち込んで、とぼとぼと帰途につくゴーシュ。家に着くと早速、練習を始めるが、そこに訪問者が現れる。高飛車で見栄っ張りな猫、自意識過剰でアーティスト気取りの鳥、おおらかで楽しいもの好きなたぬき、遠慮がちで謙虚なねずみ――個性的な動物たちに励まされ、勇気づけられ、ゴーシュは立派なダンサーとして成長していく。
宮沢賢治によるおとぎ話「セロ弾きのゴーシュ」をベースとした、子供から大人まで楽しめる愉快でコミカルな作品。それぞれの動物のかわいらしく特徴的な動き、ゴーシュが次第に自信を見い出し輝いていく様子が生き生きと描かれる。 (シアターコクーン ホームページより抜粋)
この公演を複数回観た友達は「第1幕の『Home Science』も,3回目くらいでだいぶ面白さがわかるようになった」と言っていたが,1度しか観ていない私には第2幕の『ゴーシュ』の方がわかりやすくて,楽しめた。最近のバレエ作品は抽象的なものが多いけれど,これは子供でも楽しめる作品に仕上がっているところが素晴らしい。宮沢賢治の『セロ弾きのゴーシュ』を下敷きにしているが,原作を知らなくても容易に理解できるし,何より動物達の活躍が楽しい。こんなふうに動物達が擬人化されて活躍するバレエ作品って(私の浅薄な知識では思いつかないのだが),意外と少ないのではないだろうか?使用曲はショスタコーヴィチのピアノ協奏曲とサン=サーンスの『動物の謝肉祭』からの抜粋。そしてタヌキのシーンでは,ジャズっぽい音楽も使われていた。
第1幕『Home Science』 については,翌日のワークショップで詳しい説明があった模様。


Comments
服部さん二部のみ出演はマジ残念でしたね。私が見た初日二部での服部さんは好調で「やんちゃな役」さながらエネルギーが汗と一緒に気持ちよくほとばしってくる感じだったよ。床をうつぶせ背・腹筋で這うような振付けで一気に会場を沸かせてた~。ゴーシュの楽しさ、あったか~いほっこりした心がすっかり洗われるようなひと時は、これまで見たどのダンス公演でも感じたことないものでした。あのタヌキの着ぐるみ欲しい。見られて幸せだよね。
Posted by: りとる | 2006.08.23 at 16:41
服部くんはメルヘンチックな作品を作れるところが凄いよね。こういうステキな才能を活かして,これからも心温まるような楽しい作品をどんどん作っていってもらえると嬉しいな…と思います。
こういう作品に出会えるのが,新作を観る喜びだね~。
今回は移籍のせいか,服部くんのコンディションが万全でなかったのがとっても残念だったけれども,次回はぜひベストコンディションの服部くんを観たいです!
Posted by: ばけらった | 2006.08.23 at 23:00