« オーラソーマ | Main | Musical Batonって,どーよ? »

2005.06.28

愛と幻想のシルフィード(初日)

 6月23日にマシュー・ボーン振付の「愛と幻想のシルフィード」(原題Highland Fling)の初日を観てきました。

 マシュー版は,原作同様にスコットランドを舞台にしているものの,時は現代に移し変えていて,「失業中の溶接工のジェームズが,妖精のシルフに恋をする」という設定になっています。ドラッグ中毒のジェームズが,クラブの汚いトイレに入ってくるなりドラッグを飲んで幻想を見る…というクラシック・バレエではあり得ないシーンでスタートするダンス作品です。

 この作品は「白鳥の湖」の前年(1994年)にできたもので,随所に「白鳥の湖」との類似性がうかがえたのが個人的には興味深かったです。窓の使い方だとか,2幕目での妖精たちの(目の周りを黒くした)メイクや振付,それにシルフとジェームズのパ・ドゥドゥだとか……。ストーリー的にはどちらも悲劇にもかからわず,やっぱり「白鳥」の方が深くて普遍性があると思いました。「シルフィード」の方は,「ジェームズって,おバカさんねぇ」という感じで終わっちゃって,あんまり余韻が残らない。物語の舞台は現代だけれども,ストーリー的にはおとぎ話チックと言えるかも(第2幕にはめいぐるみも出てきたしねぇ)。ただ,「白鳥」よりも笑えるシーンは多かったかな。それと私はオリジナルの「シルフィード」を観たことがないので,「白鳥」の時のように“目ウロコ状態”にはなり得なかったというのもあったと思います。

 舞台の上では同時並行的にいろいろなできごとが起きるし,人間関係も実はフクザツ。だから主役のジェームズに目を奪われていると,ついついいろいろなことを見落としちゃうんですよね。ところがそういう箇所に作品を解釈する上でのけっこう大切なポイントが隠されていたりするのが,マシューらしいところ。でも,こういうやり方はわかりにくいので,好きじゃないという人もいるでしょうね。正直言って,私は今回,かなり見落としていると自覚してます。反省。

 で,主役のウィル・ケンプ。「バレエ界の貴公子」と言われているそうです(←本当ですかぁ?)が,貴公子的なノーブルさやエレガントさよりも,ワイルドさの方が俄然際立ってました(役柄の影響があると思いますが)。顔立ちや身体つきから言っても,ぜんぜん貴公子タイプじゃないのでは? この作品では,最初から最後までほとんど出ずっぱりで,テンポの速いスコティッシュ・ダンスのステップをふんだんに採り入れたダンス(Highland Flingとは,スコットランド高地に伝わる伝統的なダンスのことだそう)をエネルギッシュにこなしていたのが非常に印象的でした。それにドラッグ中毒のイカレた演技も巧かったですね。さすがに映画「ヴァン・ヘルシング」に出演しているだけのことはあります。むしろ貴公子的な役柄が似合うんだろうか?と疑問に思ったので,次回はそういう役柄を観せてもらいたいもんです。それと彼のザ・スワン&ザ・ストレンジャーって,どうだったんだろうと興味津々。けっこうワルなザ・ストレンジャーだったのでは?(←絶対に「王子」役タイプじゃないと思うもん。そういう意味でも「バレエ界の貴公子」って,どーよ?と思ってしまうばけらったです)

 7月は観たいものがいっぱいあるので,「愛と幻想のシルフィード」についてはリピートする予定はなかったんですが,イー・プラスでA席の「得チケ」が発売になったので,「もう一度くらいは観てもいいかな…」と思案しているばけらったでございやす。どーしよっかな~?

ジェームズ ウィル・ケンプ
エフィー    ミカ・スマイリー
ロビー    ジェームズ・リース
ドーティ   シェルビー・ウィリアムズ
ガーン    リー・スマイクル
マッジ    ミュレーイ・ノイ・トルマー
アンガス   マット・フリント
ユアン    ロス・カーベンダー
ジーニー  ジェマ・ペイン
モーラッグ ハンナ・ヴァッサロ
シルフ    ケリー・ビギン

|

« オーラソーマ | Main | Musical Batonって,どーよ? »

Comments

ご無沙汰していますーー。
シルフィード、結局悩んで止めてしまいました…
超金欠なので…
ばけらったさんの記事読んでたのしみます~。

で、大変恐縮なのですが、
ミュージックバトン渡させてください☆
(* ^ー゚)ノ∥ ホイッ 

http://d.hatena.ne.jp/keyword/Musical%20Baton

質問
①コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量
②今聞いている曲
③最後に買ったCD
④よく聞く、または特別な思い入れのある5曲
⑤バトンを渡す5人

Posted by: mayunova | 2005.06.29 at 12:42

きゃー、すみません、送信が上手くいかなくて
名前変えてみたら送れちゃってました☆
消しちゃってくださいね(><)

Posted by: mayunova | 2005.06.29 at 12:51

mayunovaさん,久々のコメント,とってもうれしかったです。

ミュージックバトンは受け取ってもよかったのですが,今後,次々といろいろなバトンが出て来て,収拾がつかなくなるのでは…と思ったので,それについての意見を記事にさせてもらいました。ゴメンナサイ。許してね!

Posted by: ばけらった | 2005.06.29 at 20:44

こんにちは。
コメントありがとうございました。
エンタメ好きで、作品以上にキャストの魅力に引き寄せられ、ステージ通いをしています。
だからマシュー・ボーンのステージは行かずにはいられません。(^^)

ウィル=バレエ界の貴公子説は、ヴァン・ヘルシングのPR来日で使われ始めましたよね。
その時からウィルというと、これが定番になってしまいました。
バレエファンからすれば、「誰よ、この人?」
バレエを知らない人は、「ああ、そうなんだ。」
これ以来「宣伝文句はオオゲサで、チケットを売りさばくためには何でも考えつく」と宣伝には煽られない教訓になっています。

Posted by: theater-lover | 2005.06.30 at 23:06

theater-loverさん,ようこそお越しくださいました!
コメント,どうもありがとうございました。
ウィルの「バレエ界の貴公子」説は,やはり来日プロモーションで使われ始めたのですか。ナットク。
theater-loverさんとはけっこう同じ作品を見ているんじゃないかと思うので,これからもどうぞよろしくお願いしますね。

Posted by: ばけらった | 2005.07.01 at 00:28

今日James踊ったのはJamesだったみたいだ。朝からJasonサイトにJoseのカキコがあって、意味不明で振り回されました。ぶんちゃんありがと。
そして今見たら当の波紋カキコは消えました。。そのかわりJasonから無事だよとのメッセージが。
シルフももう終わりだね。ダンサーたちも家族や友人が心配だろうなあ。。

Posted by: りとる | 2005.07.08 at 02:01

え~っ,JasonのサイトにJoseの書き込みがあったの???(@_@;)
Joseも自分のサイトを作ればいいのにねぇ。
でもJoseは自分のサイトを管理するのはイヤなのかなぁ?

シルフはあっという間だったね。
ダンサーに限らず,ロンドンに家族や友だち,知り合いがいる方達はさぞやご心配でしょうね…。

Posted by: ばけらった | 2005.07.08 at 17:25

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17367/4747823

Listed below are links to weblogs that reference 愛と幻想のシルフィード(初日):

» 「愛と幻想のシルフィード」観て来ました。 [目利きOLのぐうたらオンラインショッピング日記]
昨日、「愛と幻想のシルフィード」観てきました。それほど、バレエに大好きがあるわけじゃないけど、「鬼才」とよばれるマシュー・ボーンって演出家がクラシックバレエをどうやって、彼なりにアレンジしてストーリーを作り出すのか、興味があって・・・。とはいっても、原作「ル・... [Read More]

Tracked on 2005.07.03 at 19:57

« オーラソーマ | Main | Musical Batonって,どーよ? »